「パチンコ店で働いてるって、親や友達に言いにくい」
「就職しようか迷ってるけど、悪いところも先に知っておきたい」
応募を迷っている人から、いちばんよく出てくるのがこの話です。
先に結論を書きます。デメリットは実在します。ただし「対処できるもの」と「できないもの」がはっきり分かれます。
ボクは業界歴13年で、店長も面接官もやりました。辞めていった人が何を理由に辞めたのかも、ひととおり見てきています。この記事では、きれいごと抜きでデメリットを7つ挙げて、それぞれ何とかなるのかどうかを正直に書きます。
結論:デメリット7つと、対処できるかどうか
| デメリット | 対処できるか |
|---|---|
| 1. 世間体(親・結婚相手の親) | △ 相手による。伝え方でかなり変わる |
| 2. 生活リズムが世間とずれる | × 構造的。店を変えても大きくは変わらない |
| 3. 体力(立ち仕事・玉箱) | ◎ 店選びでほぼ解決する |
| 4. タバコの煙 | ○ 法改正でかなり改善した |
| 5. 給料が途中で伸び悩む | △ 役職に上がれるかで決まる |
| 6. 業界が縮小している | △ 会社選びで差が出る |
| 7. つぶしが効きにくいと思われる | ◎ 書き方の問題。実は誤解 |
この中で本当に手が打てないのは2番だけです。順番に書いていきます。
1. 世間体:いちばん重いのは「親世代」です
まずこれを先に扱います。相談で一番多いのがここなので。
反応は、相手によってはっきり3層に分かれます
誰がどう反応するか
同世代・友人:ほぼ気にしません。「給料いいらしいじゃん」で終わることが多い
親世代:ギャンブルへの抵抗感が強く、「他になかったの?」と言われがち。ここが一番こたえます
結婚相手の親:人によります。ただし「正社員で、店舗運営の管理をしている」と伝わると印象が変わることが多い
つまり「世間全体から白い目で見られる」というより、特定の相手・特定の場面で説明を求められるという性質のものです。この違いは大きいです。
言いにくさの正体は、肩書きにあります
「パチンコ屋のバイト」と言うのと、「パチンコ店の店舗管理と接客の仕事」と言うのとでは、同じ仕事でも相手の受け取り方がまったく違います。
実際にやっているのは、売上の管理、現金の締め、シフト作成、新人教育、クレーム対応です。これを言葉にしないから、単純作業のイメージだけが先に立つ。
親御さんに説明するときも、業種ではなく仕事の中身から話すと反応が違います。「毎日の売上を見て、翌日の配置を決めてる」「アルバイトを20人まとめてる」。これを聞いて何も言わない親は、あまりいません。
それでも、消えない抵抗感はあります
正直に書きます。どれだけ説明しても抵抗感が消えない相手はいます。特に親世代や、堅い職業観の家庭では、言い方を工夫しても「できれば転職してほしい」と言われ続けることがあります。
これは相手の価値観の問題で、あなたの仕事ぶりとは関係ありません。ただし、その状況が自分にとってストレスになっているなら、世間体は転職を考える立派な理由です。無理に「気にしないようにしよう」と抑え込む必要はありません。
2. 生活リズムが世間とずれる(これが唯一、手を打てない)
7つの中で、これだけは構造的な問題です。
- 閉店後の締め作業があるので、退勤が深夜になる
- 土日祝が繁忙期なので、休みは平日
- 年末年始やゴールデンウィークは、まず休めない
店を変えても、業界にいる限りこれは変わりません。友人と予定が合わない、家族と生活時間がずれる。この2つは覚悟が要ります。
特に子どもがいる家庭だと、生活が完全にすれ違うことになりかねません。応募前に「営業時間」ではなく「実際に家に帰る時間」を確認してください。シフトの実態はパチンコ店員のシフト・夜勤はきつい?にまとめました。
3. 体力:これは店選びでほぼ解決します
意外と知られていないので、しっかり書きます。
「重い玉箱を運ぶ仕事」というイメージが強いと思いますが、各台計数機(パーソナルシステム)が入っている店には、そもそもドル箱がありません。台ごとに玉やメダルを数える機械なので、箱に移す作業も、運ぶ作業も、積む作業も発生しない。
2007年から本格導入が始まり、1円パチンコではほとんどの店に入っています。4円パチンコでも導入が増えています。
確認方法は3つ
・一度、客として店に入る(箱が積んであるかどうかで一目で分かる)
・面接で「各台計数機は入っていますか」と聞く
・求人票の業務内容に「玉箱の運搬」と書いてあるか見る
ただし立ち仕事であることは変わりません。腰への負担はパチンコ店員は腰痛になりやすい?に対策をまとめました。
4. タバコの煙:法改正でかなり変わりました
これも情報が古いまま語られがちです。
2020年4月1日の改正健康増進法で、パチンコ店を含む屋内は原則禁煙になりました。今の店は「全面禁煙」「喫煙専用室を設置」「加熱式たばこ専用エリアを設ける」といった形に分かれています。
ホール内の環境は、以前とは比べものにならないほど改善しました。ただし喫煙室や加熱式エリアの清掃は業務に入ります。ここは面接で確認しておいてください。
5. 給料は、入口が高くて途中で伸び悩みます
これは知らずに入ると必ずギャップになる部分です。
パチンコ店の給料が同年代より高めなのは、能力が高く評価されているからではありません。深夜手当が構造的に乗っているからです。22時から5時までの労働には25%以上の割増がつくので、閉店が遅い店ほど額面が上がります。
問題は、深夜手当には天井があることです。どれだけ頑張っても、深夜に働ける時間は増えません。だから20代前半では同年代に勝てても、30代後半で抜かれ、40代で差が開いていきます。
ここを越えるには役職に上がるしかない。年収カーブと明細の中身はパチンコ店員の給料のリアル|給与明細を全部分解するで全部分解しました。入る前に一度読んでおくと、求人票の「月収35万円可」が逆算できるようになります。
6. 業界は縮小しています(ただし会社による)
数字で書きます。店舗数は警察庁の統計で令和6年末に6,706店、29年連続の減少です。
ただし、これは業界全体の話です。会社単位では出店を続けているところもあれば、閉店が続いているところもある。出店している会社はポストが増え、閉店が続く会社はポストが減ります。
だから見るべきは業界の数字ではなく、その会社の店舗一覧です。数字の全体像と読み方はパチンコ店員は底辺?オワコン?業界の将来性を検証するに整理しました。
7. 「つぶしが効かない」は、実はほぼ誤解です
最後に、いちばん誤解されているものを。
「パチンコ店の経験は他で使えない」と思っている人が多いのですが、実際に身についているのは次の4つです。
- 数字を読んで、翌日の手を決める力(日次で締めて翌日に反映する速度は、他業種では珍しい)
- 現金と在庫を1円単位で合わせる力
- 相手が怒っている状態から始まる接客
- 人が定着しない現場を回す力
問題は、これを職務経歴書に「接客業」としか書いていないことです。書いていないものは、評価されようがありません。
何をどう言い換えるかはパチンコで身につくスキルは転職に活きる|職務経歴書の書き方に、翻訳の一覧表とBefore・Afterを載せています。つぶしが効かないのではなく、翻訳していないだけです。
逆に、メリットも公平に書いておきます
デメリットだけ並べるのはフェアではないので、いい面も書きます。
実際にメリットとして機能すること
・20代の入口の給料は、同年代よりはっきり高い
・未経験でも入れる(資格が要らない)
・寮がある会社が多く、地方から出てくる人には現実的な選択肢になる
・若いうちに役職に就ける(人が足りないので、上がるのが早い)
・平日に休めるので、役所や病院、旅行が空いている
特に「若いうちに数字と人の管理を任される」のは、他業種ではなかなかない経験です。25歳で25人のシフトを組んで、日次で数百万円の売上を見ている——これは書き方さえ間違えなければ、強い経歴になります。
元店長として:辞めた人が本当に挙げた理由
ここは実感で書きます。辞めていった人が最後に言った理由で多かったのは、この順番でした。
- 生活リズム(友人と予定が合わない、家族とすれ違う)
- 通うのがしんどい(深夜の帰り道が長い)
- 人間関係
- 世間体
意外に思われるかもしれませんが、世間体が直接の理由で辞めた人は、そこまで多くありません。相談としてはよく出るのに、最後に効いてくるのは生活リズムのほうです。
だから応募を迷っている人には、世間体より先に「平日休みと深夜帰宅が続く生活を、自分が受け入れられるか」を考えてほしいです。こちらのほうが、実際に辞める理由になります。
よくある質問
Q. 結婚に不利になりますか
相手の家庭の価値観によります。ただ、「正社員で、社会保険が完備で、店舗運営の管理をしている」と説明できると、印象はかなり変わります。雇用形態と職務内容が言えるかどうかが分かれ目です。
Q. 子どもに説明しづらくないですか
これを気にする人は一定数います。ただ、説明しづらいのは業種ではなく仕事の中身を言葉にしていないからでもあります。「お店の管理をしている」で十分伝わります。
Q. 履歴書に書くと不利になりますか
隠すのはやめてください。社会保険の記録で分かりますし、経歴詐称は入社後に問題になります。実際どこまで不利になるかはパチンコ業界からの転職は不利で難しい?に、面接官の側から見た「どこで落ちるか」を書きました。
Q. デメリットを承知で入るなら、何を見て店を選べばいいですか
この5つです。各台計数機の有無/実際の退勤時刻/固定残業代の時間数/1店舗あたりの社員数/正社員登用の実績。求人票の読み方はパチンコ求人票の読み方にまとめました。
Q. 未経験で入って、続くか不安です
辞める人が出る時期は1週間・1か月・3か月にはっきり集中します。3か月を越えた人は、かなりの確率で続きます。何にどうつまずくかはパチンコ業界は未経験でも転職できる|入ってからの3か月に時系列で書きました。
まとめ
この記事のまとめ
・デメリット7つのうち、本当に手が打てないのは「生活リズム」だけ
・世間体は「世間全体」ではなく、親世代と結婚相手の親で問われるもの
・言いにくさの正体は肩書き。仕事の中身を言葉にすると反応が変わる
・体力面は各台計数機のある店を選べばほぼ解決する
・タバコは2020年4月の法改正で大きく改善した
・給料は入口が高く、深夜手当の天井で途中から伸びにくい
・「つぶしが効かない」は誤解。翻訳していないだけ
・実際に辞める理由の1位は世間体ではなく生活リズム
デメリットを知らずに入って後悔するより、全部知ったうえで選ぶほうが、間違いなく続きます。そして、それでも周囲の目がストレスになっているなら、それは転職を考えていいまっとうな理由です。
説明しやすい会社を選ぶ、という手もあります
同じ業界でも、雇用が安定していて職務がきちんと言語化される会社なら、対外的にも話しやすくなります。「店舗運営」「エリアマネジメント」という肩書きが出る会社と、そうでない会社では説明のしやすさが違います。
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