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「パチンコの正社員はやめとけ」と言われる理由と、それでも向いている人

「パチンコの正社員はやめとけ」——検索するとまず出てくる言葉です。ボクは元店長として13年この業界にいて、面接官として応募者を見る側にもいました。だから、そう言われる理由はよく分かります。

先に結論を書きます。「やめとけ」と言われる根拠は、ほとんど事実です。擁護するつもりはありません。ただ、それが致命傷になるかどうかは人によって変わります。同じ環境で潰れていった人も、そこを踏み台にして異業種で通用する人も、両方見てきました。

今日は、なぜそう言われるのかを事実ベースで書いたうえで、それでも向いている人と、逆にやめておいた方がいい人を分けます。

「やめとけ」と言われる5つの理由

1. 昇給が頭打ちになりやすい

未経験スタートで年収320万円前後。主任・店長まで上がれば400〜550万円、エリアマネージャーまで行けば700万円台も見えます。数字だけ見れば悪くありません。

問題はその先が無いことです。店長まで上がったあと、次のポストは店舗数に対して限られています。エリアマネージャーの椅子は数店舗に1つ。そこに届かなかった人は、40代でも店長のまま、給料もほぼ横ばいで数年が過ぎます。「上がれなかったときの受け皿が無い」——これが頭打ちの正体です。

しかも今は、後述するとおり店舗が毎年数百単位で減っています。ポストの数そのものが年々減っているということです。

2. 生活リズムが世間とずれる

土日祝・お盆・正月・GWが繁忙期。世間が休むときに働く仕事です。

これは慣れの問題だと言う人もいますが、ボクが見てきた限り体質的に無理な人は一定数います。閉店後の締め作業で帰宅が深夜になり、翌日は開店準備で朝から出る。この生活が続くと、友人と予定が合わなくなり、家族のイベントに出られなくなる。給料の額とは別のところで削られていきます。

逆に、ここが平気な人にはメリットにもなります。それは後で書きます。

3. 労働環境がハード

騒音、タバコ、立ち仕事、閉店後の締め作業。ここまでは想像がつくと思います。

実際にきついのはカスタマーハラスメントです。玉が出ないことへの理不尽な言いがかりは日常で、こちらに非がなくても謝ることになります。台の設定も釘も、その場のスタッフが決めているわけではありません。それでも矛先はカウンターに立っている人間に向きます。

ここで折れる新人は多いです。逆に、ここを流せる人は評価されて上がっていきます。向き不向きがいちばんはっきり出る部分です。

4. 業界が縮小している

これは感覚の話ではなく、数字で出ています。

警察庁の統計では、2024年12月末時点のホール数は6,706軒。前年から377軒(5.3%)減って、26年連続の減少です。ピークだった1995年は18,244店なので、30年で3分の1近くまで減ったことになります。遊技機の設置台数も332万5,890台まで落ちています。

矢野経済研究所は2028年に5,900店まで減ると予測しています。この先も減り続ける前提で、キャリアを考える必要があります。

「10年後にこの会社があるか」ではなく「10年後にこの業界の規模がどうなっているか」から逆算しないといけない。これが他業種との一番の違いです。

5. 長くいるほど転職で不利になりやすい

面接官をやっていた側から見ても、これは否定できません。業種のイメージだけで書類選考が通りにくくなる場面は実際にあります。

ただし、ここには続きがあります。不利になるのは「ホールで働いていました」としか言えない人です。この話は後半でします。

それでも向いている人はいる

  • 接客とマネジメントの経験を短期で積みたい人:20代のうちから数十人のアルバイトを動かし、シフトを組み、売上と粗利の数字を見る。これを他業種で経験しようとすると、もっと年次が必要です。
  • 平日に動けるメリットを活かせる人:役所・病院・銀行が空いている時間に行ける。旅行も混雑期を外せる。この生活が合う人には、むしろ働きやすい環境です。
  • 数字とクレーム対応に強い人:この2つに耐性がある人は、確実に評価されて上がります。逆に言えば、この2つが業界で求められている能力のほぼ全部です。
  • 3〜5年で区切りをつける前提で入る人:「店長候補まで行く。ダメならその経験を持って異業種へ」と出口を決めて入る人は、後悔しにくい。

逆に、すすめない人

都合の悪いことも書きます。以下に当てはまる人には、ボクも積極的にはすすめません。

  • 安定した昇給を求めている人
  • 生活リズムのずれが体質的にきつい人
  • 業界に長くいることへの不安が消えない人

この場合、「やめとけ」はあなたにとって正しい助言です。無理に飛び込んで数年を消耗するより、最初から別の道を選んだ方がいい。ボクは業界の人間ですが、合わない人に入ってもらっても、お互いに得がありません。

入るなら「会社選び」で結果が変わる

同じ業界でも、昇給モデル・離職率・人員体制・福利厚生は会社によって大きく違います。「やめとけ」と言われる要素の何割かは、まともな会社を選ぶだけで軽くなります。

ただ、この差は求人票を読んでも分かりません。人員体制がギリギリで有給が回らない店か、そうでないか。出店を続けている会社か、統廃合を進めている会社か。ここは中の事情を知っている人に聞くしかない部分です。

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辞めるにしても、市場価値を持ってから辞めた方がいい

ここが、この記事でいちばん書きたかったことです。

さっき「転職で不利になるのは、ホールで働いていましたとしか言えない人」だと書きました。面接官をやっていて、本当にもったいないと思ったのがこのパターンです。中身を聞いていくと、しっかり数字を持って仕事をしていた。なのに本人が、それを実績だと思っていない。

たとえば計数管理をやっていた人なら、やっていることはこうなります。

  • 日次で売上・粗利・稼働の数字を見る
  • どこが計画とズレたのかを分解する
  • その結果から、翌日の打ち手や台の入替を判断する

これは小売のスーパーバイザーや店舗開発の仕事とほぼ同じです。職務経歴書に書くときも「接客をしていました」ではなく、

「稼働率と粗利を日次で管理し、台構成の入替を判断していました」

と書ける。異業種の面接官から見ると、これはかなり分かりやすい実績です。同じ13年でも、こう言える人と言えない人では、書類の通り方がまるで違います。

だから、この業界にいる間にやっておくべきことは1つだけです。数字を任せてもらえる立場に行くこと。そして、その数字を自分で読めるようにしておくこと。辞めるにしても、それを持ってから辞めた方が、次の選択肢が確実に広がります。

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まとめ

「パチンコの正社員はやめとけ」の根拠——昇給の頭打ち、生活リズムのずれ、ハードな環境、業界の縮小、抜けにくさ——はどれも事実です。特に業界の縮小は、26年連続の店舗減という数字が出ている以上、前提として受け入れるしかありません。

そのうえで向いているのは、接客とマネジメントの経験を短期で積みたい人、平日に動ける生活が合う人、そして出口を決めて入れる人です。安定昇給を求める人には、その助言は正しい。

入るなら会社選びで結果はかなり変わります。そして入ったあとは、数字を任せてもらえる立場に行くこと。それが、この業界で唯一、外に持ち出せる資産になります。

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  • この記事を書いた人

くろうど

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