「パチンコ屋って何歳から働けるの?」「逆に、何歳まで雇ってもらえるの?」——求人を見る前にここで止まる人は多いです。ボクは元店長として13年この業界にいて、面接官として何百人と会ってきました。先に結論を書きます。下は18歳以上(高校生は不可)、上は法的な上限なし。現実的には60歳定年+65歳まで再雇用、70歳前後まで働いている人もいます。ただし「働ける」と「採用される」は別の話です。そこを分けて説明します。
結論:18歳から。ただし高校生はほぼ全店アウト
パチンコ店の求人に必ず「18歳以上」と書いてあるのは、店が慎重だからではなく法律で決まっているからです。風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)第22条で、18歳未満の者を営業所に立ち入らせること、および客に接する業務に従事させることが禁止されています。パチンコ店は風俗営業の許可を受けた店なので、18歳未満はお客としても入れませんし、当然そこで働くこともできません。
これを破ったときのペナルティが、店にとってはシャレになりません。刑事罰として1年以下の懲役または100万円以下の罰金(またはその併科)、さらに行政処分として指示処分、従わなければ営業停止、最悪は許可取消です。店を潰しかねない違反なので、「バレなきゃいい」で採る店長はまずいません。年齢を偽って応募しても、入店時に身分証を確認された時点で終わります。
「18歳になったから応募できる」わけではない
ここが一番誤解されるところです。誕生日が来て18歳になっても、高校在学中はほぼ全ての店で断られます。風営法の条文だけを読むと「18歳以上ならOK」に見えますが、実際の運用は違います。
- 店の内規で「高校生不可」にしている:法律違反ではなくても、高校生を働かせていたことが地域で問題になれば、店にとってはイメージの実害になります。だから最初から採らない。
- シフトが噛み合わない:パチンコ店の人手が一番必要なのは夕方から閉店まで。高校生は学校と部活があり、そこに入れません。
- 「卒業予定」でも3月31日まで待たされる店が多い:高校3年生の1月に18歳になっても、多くの店は卒業後スタートの扱いにします。
逆に言うと、高校を卒業していれば18歳でまったく問題なく採用されます。大学生・専門学生は歓迎されます。夕方から夜のシフトに入れる学生は、店にとって一番ありがたい戦力だからです。
高校生の可否についてはもう少し細かい事情もあるので、高校生のアルバイト可否をまとめた記事も参考にしてください。
上限は「法律」ではなく「体」と「シフト」で決まる
年齢の上限に、風営法のような明確な線はありません。60歳でも70歳でも、法律上は働けます。会社側のルールとしては、こうなっています。
- 定年は60歳が主流:パチンコ業界に限らず、日本の企業の多くは60歳定年です。
- 65歳までは再雇用が「義務」:高年齢者雇用安定法により、企業は65歳までの雇用確保措置(定年廃止・定年引上げ・継続雇用制度のいずれか)を取らなければなりません。しかも2025年4月からは、労使協定で対象者を絞れた経過措置が終了し、希望者全員が対象になりました。「会社が選んだ人だけ65歳まで」は、もうできません。
- 70歳までは「努力義務」:2021年4月から、70歳までの就業機会確保が事業主の努力義務になっています。義務ではないので罰則はありませんが、対応する会社は増えています。
ただしこれは「今いる会社で働き続ける」話です。50代・60代で新しくパチンコ店に応募する場合は、まったく別の判断になります。
元面接官の本音:年齢では落とさない。「シフト」で落とす
ここが業界の内側の話です。面接で年齢を理由に不採用にすることは、法律上できません(募集・採用における年齢制限は原則禁止)。だから面接官は年齢の話をしません。代わりに、シフトの話をします。
「土日祝は入れますか」「22時以降まで大丈夫ですか」「年末年始とお盆は出られますか」。この3つに×が並ぶと、20歳でも50歳でも落ちます。逆に、年齢が高くても平日の夕方から閉店まで確実に入れる人は、強い。ボクが店長だったころ、55歳で入ってきたカウンター専任の方がいましたが、シフトが安定していて計算が正確なので、20代のアルバイトより頼りにしていました。
つまり応募する側の対策は「若く見せる」ではなく、「この曜日のこの時間に確実に入れる」と言い切れる状態で面接に行くことです。
年齢帯ごとの現実
- 18〜22歳:最も採用されやすい。ホール・カウンター両方。深夜シフトに入れるなら時給も上がります。
- 23〜29歳:正社員登用を狙うなら一番いい時期。未経験からでも主任・店長ルートに乗れます。
- 30代:未経験でも正社員は十分射程内。ただし「年下の指示を受け入れられるか」を見られます。
- 40代:アルバイト・契約社員から入って正社員登用、という形が現実的です。制度の有無ではなく「直近3年で登用された人が何人いるか」を面接で聞いてください。
- 50代以上:ホールの立ち仕事+呼び出し対応はかなりの体力勝負です。狙い目はカウンター専任、清掃、駐車場・送迎ドライバーなど役割が限定されたポジション。求人票で「クリーンスタッフ」「カウンター専任」と職種が切ってある店は、年齢層が上でも回っている証拠です。
40代以降の働き方と定年後の選択肢については、定年についてまとめた記事でも触れています。
求人票から「その店の年齢層」を読む方法
面接に行く前に、求人票だけである程度の年齢構成は読めます。ボクが求人を出す側だったときに、どういう意図でその言葉を選んでいたかを書きます。
- 「フリーター歓迎」「学生歓迎」が前面に出ている:10代〜20代前半で回している店です。40代以上だと浮く可能性があります。
- 「主婦(夫)歓迎」「扶養内OK」「9時〜15時の短時間シフトあり」:昼間のカウンターを主婦層で回している店。30代〜50代が普通にいます。
- 「クリーンスタッフ」「送迎ドライバー」「カウンター専任」と職種が分かれている:役割を切り分けて運用している=年齢層が幅広い店です。50代以上の応募ならここを狙ってください。
- 職種が「ホールスタッフ」だけ:全員が同じ仕事をする店。体力勝負になりやすく、年齢層は若めです。
- 「未経験者9割」「平均年齢◯歳」を書いている:数字を出している店は、それが強みだと思っている店です。平均年齢が30代後半なら、40代でも問題なく馴染めます。
それと、これは裏技でもなんでもないのですが、応募前にお客として一度その店に入ってみるのが一番速いです。ホールを歩いているスタッフの年齢層は、5分見れば分かります。求人票のどんな言葉より正確です。
18歳・学生が知っておくと得すること
18歳から働けるようになって最初に効いてくるのが、深夜手当です。22時から翌5時までの労働には、法律で25%以上の割増賃金がつきます。パチンコ店の閉店は22時台〜23時台が多く、そこから清掃・締め作業が入るので、閉店シフトに入ると自然に深夜帯に食い込みます。
時給1,100円の店でも、22時以降は1,375円以上になります。週3日の閉店シフトで、月に数千円〜1万円台の差がつきます。「学生で夜に入れる」は、この業界ではそれだけで価値があるということです。
逆に、18歳の人が気をつけるべきこともあります。パチンコ店は風営法の営業所なので、従業員名簿の管理が厳格です。入店時に必ず年齢確認の書類を出すことになります。これは店が意地悪をしているのではなく、監督官庁の立入検査で真っ先に見られる部分だからです。
40代・50代で受かる人が面接でやっていること
年齢が上の応募者を面接していて、「この人は採ろう」と思う瞬間はだいたい決まっています。
- 「一から教えてください」と自分から言う:40代・50代の面接で面接官が一番不安なのは、能力ではなく「年下の社員の指示を素直に聞けるか」です。ここを先に潰してくる人は、それだけで印象が変わります。
- 入れる曜日と時間を、こちらが聞く前に言う:「平日の16時から閉店まで、土日はどちらか出られます」と最初に言われると、面接官の頭の中でシフト表に人が入ります。この状態になると落としにくい。
- 体力の話を自分から出す:「ホールの立ち仕事は長時間になりますが大丈夫ですか」と聞かれる前に、「立ち仕事の経験はあります」「カウンターなら長く続けられると思っています」と言える人は強いです。
- 前職を悪く言わない:これは全年齢共通ですが、年齢が上がるほど効きます。前の職場の不満を面接で話す人は、うちでも同じことを言うだろうと思われます。
逆に落ちやすいのは、「何でもやります」だけで具体性がない人です。何でもやりますは、シフト表に落とせません。
都合の悪い話も書いておきます
「70歳まで働ける」と書きましたが、ホールで70歳まで立ち続けるのは、正直しんどいです。ボクが見てきた60代の方は、ほぼ全員がカウンターか清掃に配置転換されていました。体力的な限界は制度より先に来ます。
それと、50代の未経験者が「正社員」で入るのは、かなり難しいのが実情です。理由は能力ではなく、育成にかかる期間と定年までの年数の計算です。ここを分かったうえで、アルバイト・契約社員から入って登用を狙う方が、現実的に近道になります。
よくある質問
Q. 18歳の誕生日前に応募だけしてもいい?
A. 「◯月◯日に18歳になります」と伝えれば、その日以降のスタートで話を進めてくれる店は多いです。ただし高校在学中なら卒業後になります。
Q. 定年後も同じ店で働けますか?
A. 希望すれば65歳までは働けます(2025年4月から希望者全員が対象)。ただし多くの場合、雇用形態が嘱託・契約社員に変わり、給与は下がります。
Q. 年齢制限が書いてある求人は違法では?
A. 募集・採用時の年齢制限は原則禁止ですが、例外事由があります。ただしパチンコ店の「18歳以上」は風営法に基づくものなので、これは適法です。
年齢で迷うくらいなら、店を選び直した方が早い
同じパチンコ業界でも、40代・50代の採用実績、シフトの組み方、カウンター専任の有無は会社によってまったく違います。求人票を10件眺めるより、年齢層の分布を知っている人に聞いた方が早いです。
「パチンコヒーローズ」は、パチンコ・パチスロ業界に特化した求人サービスです。専任のコンサルタントが書類選考対策・面接対策・条件交渉・入社日の調整まで対応してくれるので、求人票には出てこない実際の年齢構成や人員体制も、分かる範囲で事前に相談できます。「この年齢で受かるのか」を一人で悩む時間を、そのまま短縮できます。